(記者)
共同通信と申します。すいません、前後してしまって申し訳ないですけど会見内容でのご質問になるんですけれども、アクションプログラムに関する質問です。まず、この8割減という目標を達成したことへの知事の所感をお伺いしたいということと、あと今後まだ2万2000人という想定がされていることに対しての、今後の課題であったり、県民へどういうふうに呼びかけをしていくのかということ。また、こういった8割減という結果を出すことができたことの、他に被害が想定される他自治体への影響であったり意味であったり、こういう結果を出せたことの意義ということをお伺いできればと思います。
(知事)
2011年の東日本大震災を受けて、南海トラフの巨大地震は十分に起こりうると。そして、どこでどういう規模で起こりうるかということで国が想定を出されました。それが出たのが、このわれわれのアクションプログラムを作る前年のことでございます。それによって、日本全体で30万人以上が犠牲になると。そのうち3分の1が静岡県であるという、この数字をまともに受取りまして、われわれは、国の想定図をですね、分析をして、この被害を確かに減らせるには、確実に減らすにはどうしたらいいかということで、2013年に、いわゆる津波アクションプログラムと、地震津波対策アクションプログラムというのを作って、今日に来ました。これはゼロにしなくちゃいけないわけですね。しかしながら、数字が極めて大きいということもございまして、毎年毎年犠牲者を減らしていこうということになりまして、目標の8割は、10年でこのぐらいまでしか、なかなか難しいということで、それをですね、できたと。これは、しかし、計画をしたからできたんじゃなくて、これは県民市民、要するに県民全体のですね、勝ち得たものです。避難計画をする、あるいは市町が避難のタワーを作るとか、それぞれ本当に皆さん工夫をされてですね、静岡方式としても知られるようになりましたけれども、いわゆる、どこかの県のように、一律にこうするとかっていうんじゃなくてですね、それぞれの地域の考え方があります。あるいは知恵があってですね、歴史的に培われた。それによって命山を作るとか、あるいは命の、森の防潮堤をつくるとか、あるいは、CSG、このやり方ですごい防潮堤を作るとかですね、こういうのがありました。これが、全て、全員の協力によってここまできたと。しかしながらですね、これはゼロにするための通過点でしかありませんで、今、次のプランを、ほぼ出来上がりつつありますけれども、なんとか、8割をさらに9割減らすと。1人も取り残さない形にしていこうというつもりで計画を立てているということでございまして、静岡県の県民の防災意識と、防災力の発揮の結果、こういう結果が、今日ここに数字が出ましたけれども、ちょっとこれ、棒グラフですね、これ段階的にこう、減らしているわけですね。一気にこれはできませんので。これは、その背景にですね、必死の、市長さん、それから、防災自治会、防災に係る自治会ですね、そうした方たちの努力があったというふうに思っております。
(記者)
ありがとうございます。あとすみませんこの、この他に被害が想定される都道府県だったり、他の自治体さんへ、意義というかそういった。
(知事)
それはですね、実は全国自治会に、全国知事会におきまして、今、どこがキャップか知りませんけど、高知県が中心になりまして、全部で10ぐらいの県が、一緒になって、情報をこういう共有しながら、この南海トラフの大地震に備えようということでやってきておりますので。ただですね、私は今回強く、申し上げましたのは、最後のところでありますけれども、国の方はですね、南海トラフの巨大地震が起こると、静岡県では10万人強が犠牲になるとまだおっしゃってるわけですね。これは10年前の話じゃありませんかと。それをですね、ちゃんと、今、作られている新しいこの被害想定に、やはりこちらの実態を反映してもらう必要があるということで、今、それを働きかけているということですね。やっぱり、現在のこの被害の状況はどうなっているかということを正確に、県別で違うと思いますね。私どものところは、今、こういう状況になってるということで、それをしっかり踏まえたうえで出していただきたいというふうに思います。思ってます。
(記者)
ありがとうございます。
(幹事社)
他に御質問。
(記者)
NHKです。よろしくお願いします。リニアの、山梨県の高速長尺先進ボーリングについて何点かお尋ねします。本日の午前中に、森副知事が山梨県庁を訪れて長崎知事と面会されましたけれども、この面会の経緯と実際に何を説明しに行ったか、またあの面会に行かれるにあたって知事はどう指示、御指示をされたのか教えてください。
(知事)
はい、有り体に、静岡県のしていることを御説明申し上げるということですね。昨年の10月、また11月、当時難波理事の方から宇野副社長に対して出した書簡、それと同趣旨のものが、この1月に出され、4月(正しくは、「5月」)に出されたと。これをですね、丁寧に御説明申し上げるということで、山梨県の、いわゆる行政権にですね、抵触するようなことではなくて、専門部会で出てきた先生方の意見を、われわれの方でまとめて、そしてJR東海に協力を要請しているものであるということなので、ぜひこれを理解してもらうように、直にですね、担当の部長と部長代理(正しくは、「中央新幹線対策本部長と本部長代理」)でございますので、説明するのがいいということで、2人時間取ってくれて、今日の午前中に山梨の幸太郎知事閣下にですね、お目にかかってお話をしたと。12時半ぐらいに電話がありまして、山梨知事さんはよくわかったということでございました。それから最後にですね、富士山空港の件につきましては、高速の、いわゆる交通体系を考え直す計画を打ち出されて、それの会長は大村さん、いわゆる期成同盟会の会長、そして実質上長崎知事さんが事務局長だったか、あるいは幹事長だとかそういう立場でですね、その中に富士山空港のことが入ってるので、この件についてはしっかりと議論していきたいというふうに言われて、ニコニコ笑ってられたそうです。それで別れたと言ってました。
(記者)
12時半に電話をもらったのは、先日交換した知事の携帯に電話が来た。
(知事)
いいえ、私はお昼は家、家というか、知事室におりますので、それでNHKのニュースを見ておりますものですから、それで12時半ぐらいに、食事が終わった頃に電話をするという、そういう始めからの、11時半からあって3、40分ぐらいかかるかもしらんと。その後12時半ぐらいには一報を入れるということを前もって聞いておりまして、その通りになったということです。
(記者)
わかりました。長崎知事からのわかったという御発言があったっていうことなんですけれども、あのつい先ほど1時間ぐらい前に、長崎知事も会見をされまして、森副知事との面会で、その静岡の水か山梨の水かという議論については、山梨県としては受け入れがたいとはっきり、森副知事にお伝えされたというふうにおっしゃってました。また山梨の経済活動に対して、この議論が大きな懸念を巻き起こす可能性についてもお話されていました。これについて知事として、知事の今の受けとめを教えてください。
(知事)
はい。これは山梨県、長崎知事さんが言われることはもっともだと思っております。今、専門部会で議論されていることにつきまして、国交省の方から、双方向のコミュニケーションをするようにという御指導がございまして、新しい社長になられて、この現在、専門部会で、この委員の先生のお1人が出された、水の水質の分析ができるということで、それについてJR東海の社長さんが前向きな姿勢を示されたということでございますので、それはそれとして、やって問題がないと僕は思っております。一方、企業活動、あるいはその水の問題というのはですね、まだ問題になってるわけじゃありませんから、問題になった場合には、山梨県の知事さんは、自らの職権において、それに対して、しかるべき対応をするというふうに言われてるようでございまして、一貫して、山梨県知事さん、同じこと言われております。私どもも一貫して同じことを申し上げているということですね。
(記者)
議論自体を長崎知事は受け入れがたいとおっしゃってるんですけれども、今後もその専門部会でもこの静岡の水か山梨の水かという議論は進めるおつもりでしょうか。
(知事)
いや、もう、水は水循環基本法にも書かれてますし、また、世界的にも共通の理解ですけれども、これは誰のものでもないんですね。したがってですね、ただし、民法的に言えば、土地所有者がそこの上にいれば、それはそこの水となりますけれども水は動いてますから、したがって、そういう議論それ自体はですね、成り立つとはいえですね、基本的な考え方としては、水はみんなのものであり、同時に、誰のものでもあり、誰のものでもないという、そういう性質のものではないかと思っております。しかしこれがですね、やっぱり水なくして企業活動も生活もできませんので、この企業活動をされることにつきまして、山梨県知事さんとしては、知事として、企業活動を、自由な企業活動をですね、保障しているということでありまして、それがもし問題が生じた場合にはそれなりの処置をとるということも表明されておられるので、誠に筋の通った意見であるというふうに思っております。こちらはこちらで、調査はいたします。その調査すること自体はですね、別にそれの結果は、皆が共有すればいいと。専門部会で問題になっている事柄につきまして、この問題が解決されればそれでいいという、そういう筋のものだということです。
(記者)
わかりました。あと最後に、先日知事も御出席した期成同盟会の中で、先ほども少しお話がありましたけれども、この問題についても、期成同盟会の場で議論の場を作るということになりまして、今、事務局の愛知県が調整を進めていると承知しております。静岡県としてはこの調整に、今、はどのように取り組んでいるんでしょうか。
(知事)
非常に高く、なんていいますか提案を評価しております。同盟会に入って初めてこういうことが可能になって、即、総会の場で、幸太郎知事さんがこの提案をされて、会長もその場でやっていこうというふうに言われて、さらにですね、自民党の特別委員会でも、類似の発言を長崎知事さんがなさいまして、それをやっていくということは、関係者、理解したというふうに思います。だから私どもは、情報を共有して、一緒に解決を図っていくということでありますので、水は非常に重要な問題であるってことは、長崎知事さんはよく御存知だと。それと同時にですね、われわれにとっては、残土の問題があります。この残土は、燕沢(正しくは、「燕沢付近」)は不適切です、国交省の観点からして不適切です。彼らの資料によって不適切です。そしてまた、藤島沢(正しくは、「藤島沢付近」)は、これは本県の条例によって、10kmも離れたところにですね、要対策土を置くことはできないということで、これは99%厳しいと。ですからこれをどう解決するかということはですね、われわれ、一生懸命、今、専門部会で、まだこの議論は本格的にされてませんけれども、関心を持って見守っているところであります。しかしこれは、山梨知事さんがおっしゃるように、山梨県知事さんがおっしゃるように、リニア全体に関わる問題だから、みんなで議論しようと言われて、で、今、どういう体制をとるかっていうことの、青写真を書かれてるんじゃないかと思いますが、できる限りの協力をしたいというふうに思っております。
(記者)
ありがとうございました。
(幹事社)
その他、じゃあ。
(記者)
読売新聞と申します。先ほどの質問、御発言の中で、民法の所有権の話を出されましたけれども、確認しておきたいんですが、つまり、山梨県で出た水も静岡県の水だという主張はもうしないということでしょうか。
(知事)
しません。
(記者)
わかりました。水の由来を調査、こちらはこちらで調査するという発言も先ほどありましたけれども、その調査の手法について、あの丸井先生は300mを超えて静岡県全域でサンプルを分析するのが科学的だというふうに、静岡県内もボーリングするべきだという趣旨の認識を示してるんですけれども、知事もそのような科学的な考えはお持ちでしょうか。
(知事)
専門部会の先生方の御意見は尊重すべきであるというのが基本姿勢です。しかし、それをするのは、JR東海の、事業主体としての義務ですね。ですから、事業主体がどのようにお答えになるのかというのが今、回答待ちということです。
(記者)
知事御自身は、県境を超えたボーリングは、科学的な議論のために必要というお考えですか。
(知事)
はい。水が引っ張られるということはですね、かねてから言われておりました。どれぐらい引っ張られるかってことについては議論があると思いますが、引っ張られることは間違いないと。そしてまた、いわゆるボーリングが、調査を兼ねた水抜きだということも共通の理解なわけですね。ですから、破砕帯のところに行くまでは水は出ないでしょう。破砕帯が出るとそれを止めると。どのように止めるのか。もし出た場合には、それをどのように戻すのかというようなことを、これはですね、もっぱらJR東海さんが関係者に説明するべきことであるというふうに思っておりますので、ボールはJR東海に投げられてると思っております。
(記者)
わかりました。ありがとうございます。
(幹事社)
ありがとうございました。じゃあ。
(記者)
今の関連で、ボールはJR東海に投げられているというのが、常人には理解しがたいんですけれども、静岡県が山梨県側で調査をするな、県境付近で調査をするな、県境を超えるなって言っているから、止まっているのであって、何もJRがボールを持っているわけでもなく、誰がどう見ても静岡県がボールを持っていると思いますけれども。
(知事)
JR東海の調査によりまして、静岡県の県域1kmまで山梨工区になってるんですね。そこのところの地質はJR東海の調査によって破砕帯になってます。しかもその破砕帯は、県境を越えて山梨県側に続いている可能性が高いとまで書かれてるわけです。つまり、静岡県で調査をなさって、しかし、山梨県境にまで入るまでの調査ができていないんですね。一方、この先進長尺高速(正しくは、「高速長尺先進」)ボーリングでですね、この水抜きを兼ねた調査をしていくということで、その場合、水が出た場合どうしますかと、どのくらいの水が出るんですかということについて、こちらがお尋ねをしていると。そういうリスク管理についてお答えをするのはJR東海であると。したがってボールはJR東海にあると思っております。
(記者)
いえ、JRはそこについてさんざんっぱら説明してると思いますし、この間の専門部会、どれほど知事が報告、内部から受けてるのかわかりませんけれども、大石委員は、自分でも計算してみたけれどもJRが言っている通りだと。水が出たとしても止められるというようなことも専門部会も言ってるんですけれども、そうなりますと、JRはもう示している、専門部会も容認する形になっている、後はもう静岡県が、やっぱりあの要請を撤回して、山梨県でも静岡県でもボーリング調査をやってもいいですよって、言うか言わないかだけだと思うんですけれども。
(知事)
ともあれあの、懸念を払しょくしていただかないと。
(記者)
ともあれではなくて、私が聞いてるのは、ボールがだからどう見ても静岡県にありますから、知事として、この今、中止を要請している山梨県内県境付近に、静岡県境との付近におけるボーリング調査を、お認めに、まあ認める権限も、認める認めないの権限もそもそも静岡県知事は持っていませんけれども、あの要請を撤回したうえで、県境付近までのボーリングを事実上容認する、そして静岡県境を超えたボーリング調査を容認する、それイエスかノーかだけなんですけれども。問うてるのは。
(知事)
昨年の10月から懸念を表明しているすね。その懸念が払拭されれば、どうぞやってくださいというふうに申し上げてるわけで。
(記者)
懸念に関しては、もう散々、JRの方は水が出た場合の対処とかも示していると思いますし、難癖をつけてるのは静岡県なのであって、静岡県に配慮してJRは今、動きを止めようかどうしようかっていうところを思慮しているわけであって、静岡県としてのスタンスが出ないことには、JRだって進めようがないと思いますし、専門部会だって事実上容認しているわけですから、これ以上の結論というのは出ないと思います。
(知事)
専門部会の方で容認されれば、われわれは専門部会の要請に従って、専門部会から出てきた懸念に従って、本部長が手紙を宇野副社長出しているわけですね。それに対して、返事が出てきて、そしてこれでOKと、専門部会の森下会長以下、この委員の先生方がお認めになればですね、私はそれに従います。
(記者)
ということであるならば、こないだ散々、山梨の水静岡の水議論のときに、丸井先生が丸井先生がとおっしゃってましたけれども、その丸井先生が静岡県まで入って調査をすべきというようなことも言いましたし、専門部会でボーリングに対する反対はこないだ出ていなかったと、多分ここにいるどの記者も、聞いていた方も承知していると思うので、事実上県としてボーリング調査を容認するスタンスということでよろしいんですか。
(知事)
丸井さんの、まだ調査は終わってませんのでね、それをどうなさるかというのが。
(記者)
丸井さんは、調査をする前提として、静岡県まで掘ってみないことには試料採取ができないからっていうことをおっしゃってるんです。だから、その、コロンブスの卵みたいになってるんで、丸井さんが言う調査は、静岡県側までボーリングをしないことにはどうにもならないと思うんですけれども。
(知事)
そのように専門部会の方で合意されればですね、それにすればいいと。ただし、それをするのはJR東海ですから。
(記者)
いや、で、この間の専門部会の、何回も同じような質問で恐縮なんですけれども、この間の専門部会でも、決を取ったわけじゃありませんけれども、事実上ボーリング調査に対する異論が出なかった中で、じゃあ認めるのかっていうのをさっきから再三聞いてるつもりなんですけど。
(知事)
はい。森下部会長からまだ報告は来ておりません。私の方には。はい。
(幹事社)
大丈夫ですかね。他に。 |